クラッチ西条店を利用していたAさん(女性・精神障害者手帳保有)は、利用開始当初より欠勤することなく真 面目に通所し、与えられた作業にも積極的に取り組む姿勢が見られていた。本人は明るく社交的で、周囲の人々 の中心にいるような存在であり、物事にも率先して取り組む意欲的な性格である。 将来的には一般就労に就き、自ら収入を得て家族のために使いたいという明確な目標を持っており、その思いが 日々の利用態度にも表れていた。一方で、自身の意見や考えを主体的に持つことが苦手であり、トラブルが発生 した際には「身内の意見を参考にした」といった発言をするなど、責任の所在が曖昧になる場面も見受けられた。 また、作業に対しては積極的である反面、周囲への配慮に欠ける場面もあり、他利用者の業務に口を出したり、 過度に手を差し伸べたりすることもあった。就労移行支援の場であるクラッチ西条店では、「自分のことは自分 で行う力」を養うことが重要であるため、その都度声かけや指導を行ったが、本人の性格もあり、助言を十分に 受け止められない場面もあった。 そのような中で、年上の職員が中心となり、Aさんに対して継続的な関わりを行った。日頃から丁寧な声かけを 行い、良い行動については積極的に評価し、誤った言動があった際にはその都度振り返りを促し、必要に応じて 謝罪の重要性についても指導した。 こうした関わりを継続した結果、利用開始から2年を過ぎた頃より、Aさんの思考や行動に変化が見られるように なった。周囲の状況を意識し、他者への配慮ができる場面が増え、自身の役割を理解した行動が取れるようにな っていった。 さらに、一般就労に向けた具体的な動きも見られるようになり、障害者就業・生活支援センターや相談支援事業 所、サービス管理責任者等の関係機関と連携しながら、前向きに就職活動へ取り組んだ。その結果、約7か月後 には就職に結びつくという成果を得ることができた。 知識面においては、インターネット上の情報を鵜呑みにする傾向があったため、複数の情報源から確認すること の重要性を伝えるとともに、能力の向上は自然に得られるものではなく、自身の意識的な努力が必要であること を繰り返し指導した。 現在もAさんは就職先において継続して勤務しており、これまで培ってきた経験や学びを活かしながら、日々努力 を重ねている。今後も安定した就労の継続とさらなる成長が期待される。
3月26日 14:55